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山の畑でソバを刈っていると、北の空から白鳥の群れが渡ってきた。クワーク、クワークと励まし助け合うように声を掛け合い、南へ向かっていった。天地に冬がきた。天地は夏と冬しかない。冬と夏の境界を春、夏と冬の境を秋、と人が呼んでいるだけで、天地は二季である。地球の生き物は、二季のめぐりの中で生き、いのちを繋いでいる。この地で植物や動物の営みを観察していると、そのことがよくわかる。

季節の境界はとても魅力的で、その一つに紅葉がある。全山が錦を纏い、装う姿は圧巻である。毎年この時期、迷が平を抜け、十和田湖、奥入瀬、蔦温泉、笠松峠、酸ヶ湯、八甲田、田代平へ、今年の紅葉はどんな様子だろうかと定点観察しに行く。自然は、年ごとに紅葉の衾紙を張り替える。早かったり遅かったり、濃かったり薄かったり、あでやかさも枯れ具合も毎年違うのである。時はくり返しながらも、前へ移動し今を形作っている。今年の今の様態が紅葉の景色に表出される、それが面白い。

今年は御鼻部山(おはなべやま)展望台からの十和田湖の眺めがすばらしかった。ここから雄大な十和田湖が一望できる。その日は寒気がやってきて、雪雲が流れていた。その雲の隙間から薄日が差し、大きな鏡の湖水に雲の影が流れていた。今まで見たことのない別の世界の風景が広がっていた。

湖に浮かぶ二つの半島の写真右が中山半島、左が御倉(おぐら)半島。その二つの半島に囲まれているのが中の湖(うみ)である。大昔、火山の爆発でできた大きな湖に、後年さらに爆発が起こり、その部分が深い湖となる。それが中の湖で、水深が327メートルほどある。十和田湖は日本唯一の二重式カルデラ湖で、周りの浅い湖から深い中の湖へと、水は川のように流れている。そのことが、もとは紅鮭だったヒメマスの生育の鍵を握っているようだ。

それにしても十和田湖は魅力的である。湖を見ていると、湖の底の無意識の世界とか井戸や地下室とか闇の世界とかに、魂が連れて行かれそうになる。吸引のエネルギーは相当なものである。昔の人も不思議な力を感じていて、それが江戸時代に盛んだった十和田信仰につながっていたのだろう。紅葉もいいが、古人が感じていた世界を、今も感じ取れるのが十和田湖の魅力だと思う。

今日から長月、日が暮れるのが早くなり、夜が長く感じられます。もうじき十三夜です。

10月28日(土)陰暦九月九日14時から15時20分、キルタンの会を開催します。秋田市より藤原佳子さんをお呼びし、「歌う瞑想」と呼ばれるインドの讃美歌”キルタン”をリードします。どうぞお越しください。メールにてお申し込み、お問い合わせください。

また、11月1日(水)は陰暦の九月十三日、十三夜です。十三夜の月見をします。こちらもメールでお申し込み、お問い合わせください。詳しくはこちらをどうぞ。

開社日時 西暦4月23日(日)~11月11日(土)
<陰暦三月二十六日~九月二十三日> の10時~15時まで。
土間、座敷、囲炉裏の間、巨木の庭など公開しています。入場料300円(会員、学生、子どもは無料です)。田畑に出ていることが多いので、前日までに連絡ください。 メール:jomon.uzumakisha@gmail.com